出典:黙示録の大予言:167~168頁
加治木義博(言語復原史学会)・ムックの本・KKロングセラーズ
《日本が体験した小型「バベルの崩壊」》
それが最初にいった「人生観の差」なのである。
自分さえよければ隣家のことなど知ったことじやない、
と迷惑をかけても平気でいる。
そして、どんどん国を破壊しているのが、その人生観なのだ。
その大きな流れがどんな現象を生み、
日本の未来がどうなるかを、神は最近、小型モデルにして見せてくれた。
日本人は、世界から流入してきた豊富な資金で、
何十億円もする絵画を買いあさるという贅沢の限りを尽くした。
ソロモンの栄華もこれに比べれば金額の点では影が薄い。
儲けのためには義理も人情もあるものかと、
「地あげ屋」という商売が生まれて、
貧しい老婆が住む家まで暴力をふるって立ち退かせ、叩き出し、ぶち壊して歩いた。
そうして一日に何億も儲けた。
その金を湯水のように使う。
それが巡りめぐつて元へ戻ると何倍にもふくれ上がっている。
それをシャボン玉の泡にたとえて、人は「バブル」景気と呼んだ。
そしてアッという間にはじけてしまった。
「泡踊り」を踊った企業は片っ瑞から倒れ、
生き残った者も回収不能の不良債権が山のようにそびえているばかり。
リストラという虎に食われた失業者の残骸が無残に散らばって、
「バベルの崩壊」の《予言》が、その名の通りに的中して、
まぎれもなく事実であったことを立証したのである。
だが日本人は、またそのバブル時代が再来する「夢」を見続けている。
それ以上に厄介なのは、一度繁栄を味わったら、
それが永続するものと信じこんでしまうことである。
日本は二度と二流三流国にはならないと思いこんでいる。
しかし、カルデア人の末路をお話ししたように、
いま悲惨な暮らしをしているインドもエジプトもバルカン半島の諸国も、
また小国化しているオランダ、ポルトガルもすべてが、
かつて世界最大の超大国だったのである。
そればかりではない。
ここ半世紀の間にイギリスが縮み、ソ連が消滅したのを見た。
それなのになぜ日本だけが、永久に栄えるといえるのか。
永久どころか、すでに政治家も財界も、何の知恵も手段もなく、
ただ景気の循環を神頼みしているだけだ。
経済評論家はテレビで口をバタバタやっているだけで何の効果も実績も現れない。
気の利いたニセモノは自分で姿を消し、
あつかましい無神経な奴がその後釜に潜りこんだだけである。
景気は果して回復するのだろうか?
「歴史」は冷淡に「ノー」と答えるばかりだ。
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