2012年1月12日木曜日
自由を奪われた彼らを守って長期戦
出典:黄金の世紀:159~161頁
加治木義博(言語復原史学会)・ムックの本・KKロングセラーズ
《自由を奪われた彼らを守って長期戦》
《自由を奪われた彼らを守って長期戦》
「4-34」
「異国の土地で捕虜が、その大きな陰謀、
鎖でつながれた黄金を王チランに差し出した。
片やオーソンヌの中ではミラノはその戦争に負け、
おまけにその軍隊、火と鉄をつける」
「2-79」
「その時、暗黒にも勝る不吉な機械で
その尊大で残酷な連中を屈服させる。
偉大なチランは、とても長いあいだ守って戦う。
三日月の旗によって自由を奪われた彼らを全て」
この二つをみると、
実はイタリアでも長期にわたって戦い続けいる。
「4-34」を解読してみよう。
詩全体からみて「異国の土地で捕虜が陰謀」というのは、
そのイ夕リアへ侵入していた
イスラム教徒の捕虜たちが何かを企んだということである。
その捕虜がなにか陰謀を企んで、
「鎖でつながれた黄金を王チランに差し出した」。
これはそれまでイスラム側に奪われていた富を返還する代わりに、
それで捕虜たちが有利になる仕掛けがしてあり、
チランをそのワナに落とそうと企てたということなのだ。
そんなことになったのは、
「オーソンヌの中で」=Ausは「オーストラリア=南国」の略語、
on は「人」、ne は「ない」で、「南国人でない人の中で」という意味。
これはミラノがイ夕リアでは北部を代表しているから、
「北部人の中ではミラノ人だけが戦争に負け」という意味だろうが、
さらに批判して、「おまけにその軍隊、火と鉄をつける」という。
これは火で街を焼きはらったあと、
捕虜になって鉄の鎖で囚われたと解釈すればいい。
こういう戦況のとき、チランはどうしたか。
「2-79」の詩をみると、
彼は「とても長いあいだ守って戦う」。
なにを守ってか。
これはうっかりすると、
イタリアの人々 をというような単純な解釈で終わるが、
彼は、「尊大で残酷な連中を屈服させる」のに
「暗黒にも勝る不吉な機械」を使う。
この機械もまた「守って」戦ったのである。
こうして「偉大なチランは、とても長いあいだ」戦った。
三日月の旗に自由を奪われた彼らを全て」「守って」戦ったのである。
人々 の自由を奪った三日月の旗はイスラムの軍隊、
彼らは「尊大で残酷な連中」だった。
だが…… 、
チランは戦争放棄者ではなかったのか?
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