出典:黙示録の大予言:62~64頁
加治木義博(言語復原史学会)・ムックの本・KKロングセラーズ
《現代語訳『聖書』の重大な欠陥》
ところで、『黙示録』の解読に際しては、どうしてもご理解いただく必要のある、
重要な問題がまだある。
それは私がこの本の冒頭に引用した「黙示録の明治パロット師版」
(以後は「明治版」と省略する)と、最近の現代語訳との訳文の違い、
および原典のギリシャ語と一般化している英語訳の問題である。
「明治版」は、たとえば、
「彼等、刀剣、飢饉、死亡および地の猛獣をもて、
世の人の四分の一を殺すの権を与えられたり」と書いてあるのに、
現代語訳のほうは、
「彼らには、地の四分の一を支配する権威および剣(つるぎ)と飢饉と死と地の獣らとによって
人を殺す権威とが、与えられた」というのや、
ある英和対訳の本には、
「その馬に乗っている者には、地上から平和を奪い取って、
殺し合いをさせる力が与えられた。
また、この者には大きな剣が与えられた」と書いてあるものもある。
おわかりのように現代語訳のほうは随分手が加えられて「やさしく」変えられているし、
最後の「世の人の四分の一を殺すの権」が「地の四分の一を支配する権威」に
化けているのはまだいいほうで、英和対訳本では四分の一は完全に省略されている。
どれもこれもが、全然、別の内容であることは、一見しておわかりになると思う。
ほかにも「猛獣」が、ただの「獣」になっていたり、
「権=権利・権力」という実質的な強い力が「権威=オーソリティ」
というまったく別の、形容詞的なものにスリ変えられている。
だからこれではとても「同じ本」というわけにはいかない。
この例は小さな一部分を見ただけであるが、
『黙示録』の予言内容を示す「かんじんな部分」である。
「予言解読」という仕事は、一字一句がすべて実に大きな意味をもっている。
それを残らず総合してこそ、正しく未来を予知することができるのである。
それなのに、訳者によってこんなにも異なったものになっている。
これでは「予言内容」どころか、
本当の『黙示録』に何が書いてあるかさえもわからない。
最近、難しい学問をわかりやすくするといって、
たとえば『マンガ日本史』などという本などをよく見かけるが、あれと同じである。
おおよそのことが何となくわかればいい、というつもりらしいが、
こんな状態のマンガ的な『黙示録』を使って、いくら苦労して解読しようとしても、
答えもマンガ的なものしか出ないに決まっている。
だから『黙示録』なら、どれも同じだと思って、
現代語訳の一つのテキストだけで解説したような本に、
本当の解釈も解説もできるはずがないことにご注意いただきたい。
それはヨハネの『黙示録』ではなく、別のものなのである。
さらにもう一つ確認しておくことがある。
それは言葉というものは、国によってずいぶん違うから
「翻訳」自体、非常に難しいものなのだが、『黙示録』はさらに厄介なことに、
その原文は、いまのギリシャ人が読んでも意味がわからない古代ギリシャ語と、
ヘブライ(ユダヤ)語の文法とが入りまじったものである。
だからはっきりいって、いま市販されている日本語や英語版『聖書』に載っている訳は、
すべて「誤訳」だといえる。
このことを、前もって申しあげてお断わりしておかないと、
その誤訳のほうを信じている方から、歴史言語学の学究である私(加治木義博)が、
なんという情けない間違いを犯したのか、
いいかげんだ、という非難を受けたとき弁解できないからである。
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