2011年12月29日木曜日
荒れ野になる金融資本王国
出典:黄金の世紀:126~127頁
加治木義博(言語復原史学会)・ムックの本・KKロングセラーズ
《荒れ野になる金融資本王国》
《荒れ野になる金融資本王国》
資本主義、それは悪ではない。
産業革命の生みの親であり、大量生産が人類の幸福な生活を、
どれだけ豊かに支えたか知れない。
しかしそれが「荒れ野」になるという。
「4-20」
「平和と大量生産を長い期間、神は賞賛する。
その王国が全てにわたって荒れ野のあの百合の花。
水死体、人々は陸にもっていく。
幻影だけの幸運を悟って、現実のそこに埋葬する」
平和と大量生産はいいものだと、人類は長いあいだ無条件に信じて賞賛してきた。
しかし前の詩のように、その富が、人類の敵に育ってしまった。
それでは聖書にあるように「ソロモンの栄華も野の百合にかなわない」。
百合の花は清潔で子孫を繁栄させるが、
まちがった富の蓄積は自分の分身である人類を滅ぼす悪魔でしかない。
やがて全てにわたって荒れ野しか残らない状態にしてしまう。
彼がいうとおり、世界はいまやゴミと毒物の荒れ野に、どんどんなりつつある。
しかも、科学も医学も、改善も予防も中途はんぱで、
病気も中毒も後遺症だらけ、完全に本当には治せない。
水死体というのは海運業や貿易が、生み出していく溢れる商品のばらまく公害と、
その競争に敗れた倒産者や逃避者や自殺者のこと。
彼らは陸の商売にもぐりこみ、水ものが幻にすぎなかったと悟っても後の祭り、
現実の厳しさに命を縮めて、けっきょく陸に葬られる。
資本主義の改革、それは資本主義全体を嫌悪して、
より人間性に合わない共産主義独裁を主張したソ連などの資本主義批判ではない。
人類は機械ではない。
働きには個性と個人差がある。
それは本人の自由意思で最善に発揮できる。
奴隷や囚人はなにものも生まない。
しかし自由もニューヨークのダウンタウンが象徴する下層社会にみるような、
放任と差別、暴力による取締まりといった、罪悪と罪悪の葛藤を生むものでいいはずがない。
ノストラダムスがいうように、孔子や釈迦の教えのような東洋的倫理の徹底教育によって、
初めて野獣から脱皮した知性と倫理のそなわった二十一世紀人ができあがるのである。
それは人類史上、初めての進化で、超古代の石貨や貝貨が貨幣だった時代から、
当然のこととして続いてきた富の寡占を、必要悪としてきた野蛮な時代から、
金銭に支配されずに、本当のすぐれた才能の持ち主を正しく評価して、
つまらないマネーゲームに巻きこまずに、
その才能を人類の真の幸福のために活用する知性の時代へ、
昆虫の髪脱皮して素晴らしい成虫に羽化し、大空を飛びまわるような、
画期的な「進化」をとげたのだ。
それは「10-80」の詩がたとえているように、せっかく良い港を所有していた人や地域が、
独占資本の策略におちて倒産し、壊れて使えなくなっていた港。
それはその地域の産業や貿易の死を意味するが、それが再び商船を建造して、
世界の人々を相手に製品を生産して積み出し、
安い製品を自由に運んできて地域住民の幸福な生活を支える。
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